【プロが教える】テレビの映りが悪い?屋根の上より壁面設置がおすすめな理由

テレビの映りが悪くなって
「アンテナを修理したほうがいいのかな?」
「どんなアンテナがおすすめ?」
など、アンテナの設置方法や場所についてお悩みではありませんか?
テレビアンテナは屋根の上に設置するイメージが強いですが、
実は壁面設置にはたくさんのメリットがあるんです。
今回は、アンテナの壁面設置がおすすめな理由を5つご紹介します。
さらに、あなたの家に最適なアンテナ設置方法がわかるフローチャートも用意していますので、
アンテナトラブルでお困りの方はぜひご活用ください。
2025年04月26日更新
監修
前田 良三
アンテナ工事技術者
保有資格:一級電気工事施工管理技士, 第一級陸上特殊無線技士, 高所作業車運転技能者
専門分野:テレビアンテナ工事, 電波障害対策
大手電器メーカーでアンテナ設計に10年従事した後、独立してアンテナ工事会社を設立。20年以上の経験を持ち、難しい電波受信環境でも最適な設置方法を提案するスペシャリスト。「どんな家でもクリアな映像を届けたい」をモットーに、常に最新の技術と知識を追求しています。当サイトでは、一般のご家庭でも実践できるアンテナ選びのポイントをご紹介いたします。
アンテナの壁面設置がおすすめな理由「ポイント5」
アンテナ設置について考えるとき、
多くの方が「屋根の上に取り付けるもの」というイメージをお持ちかもしれません。
しかし、近年は壁面設置が人気を集めており、
実際多くのメリットがあります。
最新のアンテナ技術の進歩により、
壁面でも十分な受信感度が得られるようになっています。
このページでは壁面設置のメリットを、以下の5項目に分けて解説していきます。
- メンテナンスのしやすさ
- 工事費用の節約
- 耐久性と安全性
- 美観と景観への配慮
- 電波受信の安定性
以下で、一つひとつ見ていきましょう。
1. メンテナンスのしやすさ
アンテナを検討するにあたり、
「修理やメンテナンスが大変そう」
「高所作業が不安」
という声をよく耳にします。
そのような不安を抱えている方にとって、
壁面設置は大きなメリットとなるでしょう。
以下の「アンテナ設置場所選びのフローチャート」で、
あなたの家に最適な設置方法を確認してみましょう。
アンテナ設置場所選びのフローチャート

※このフローチャートはあくまで参考です。
実際に設置する際にはアンテナ工事のプロにご相談ください。
「周辺に高い建物はあるか」から始め、
フローチャートの質問に答えるだけでおすすめの設置場所がわかります。
自分の家に合った設置場所がわかったら、その方法についてもう少し詳しく見ていきましょう。
それぞれの設置場所のメリット・デメリットは下の表にまとめています。
アンテナ設置場所の比較表
設置場所 |
受信感度 |
工事費用 |
耐久性 |
メンテナンス性 |
美観 |
屋根設置 |
★★★ |
★★★ |
★★ |
★ |
★★ |
壁面設置 |
★★ |
★★ |
★★★ |
★★★ |
★★★ |
ベランダ設置 |
★★ |
★ |
★★ |
★★★ |
★ |
室内設置 |
★ |
★ |
★★★ |
★★★ |
★★★ |
当サイトに掲載されているデータを参考に算出
壁面設置のメンテナンス性が高いのはどうしてですか?
壁面設置の最大のメリットは、脚立や足場があれば簡単に点検や清掃ができることです。屋根設置の場合は専門業者による高所作業が必要になりますが、壁面なら比較的安全に作業ができます。台風後の点検や定期的な清掃も容易なので、アンテナの寿命を延ばすことにもつながりますよ。
壁面設置のメンテナンスのしやすさは、特に以下のような方におすすめです。
- 定期的なメンテナンスを自分でしたい方
- 高所作業の費用を抑えたい方
- 台風や大雪の後すぐに点検したい方
- 将来的なデジタル放送の規格変更に備えたい方
[詳細記事へのリンク] メンテナンスしやすいアンテナの選び方と設置場所
2. 工事費用の節約

アンテナ工事にかかる費用は、主に「機材費」と「工事費」の2つです。
機材費はアンテナ本体やケーブル、ブースターなどの部材代で、工事費は設置作業や高所作業などの人件費です。
以下は全国のアンテナ工事会社の費用相場をまとめた表です。
全国のアンテナ工事費用相場
設置場所 |
平均値 |
中央値 |
屋根設置 |
6.5万円 |
5.8万円 |
壁面設置 |
4.2万円 |
3.8万円 |
ベランダ設置 |
3.5万円 |
3.2万円 |
室内設置 |
2.0万円 |
1.8万円 |
平均値とは:データの合計値をデータの個数で割った値です。極端に高い値や安い値の影響を受けやすい特徴があります。
中央値とは:データを高い順・安い順に並べたときに、中央に来る値です。平均値のように、極端な値の影響を受けにくい特徴があります。
壁面設置は屋根設置と比較して工事費用が約35%も安くなります。これは高所作業車が不要になることや、作業時間が短縮できることが理由です。
費用面だけでなく、工事の難易度も壁面設置のほうが低いため、トラブルも少なくなり、追加費用が発生するリスクも抑えられます。また、複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格で工事ができますよ。
3. 耐久性と安全性
アンテナを選ぶときに見落としがちなのが、耐久性と安全性です。屋根の上に設置されたアンテナは、以下のような厳しい環境にさらされています。
- 強風や台風による物理的な負荷
- 雨や雪、紫外線などによる劣化
- 雷などの自然災害リスク
- 鳥の糞や巣作りなどによる影響
壁面設置の場合、軒下などに設置することで、これらの環境要因から守られるメリットがあります。特に強風の影響を受けにくく、雨や雪の直接的な影響も軽減されます。
壁面設置が安全なのはわかりましたが、地震のときはどうなんですか?
地震発生時も壁面設置は有利です。屋根設置の場合、揺れによってアンテナの支柱が折れたり、屋根材を破損させたりするリスクがありますが、壁面ならそのリスクが低減されます。また、仮に落下した場合も、高さが低いので被害が最小限に抑えられます。
壁面設置の耐久性と安全性のメリットは以下の通りです:
- 強風の影響を受けにくい
- 屋根材の破損リスクがない
- 雨や雪の直接的な影響が少ない
- 鳥の巣作りなどの被害が少ない
- 地震時の落下リスクが低い
- メンテナンスがしやすいため長寿命化
[詳細記事へのリンク] アンテナの耐久性を高める設置方法と定期点検のポイント
4. 美観と景観への配慮
住宅の外観を美しく保ちたいと考える方にとって、目立つアンテナは悩みの種です。特に最近の住宅は外観デザインにこだわったものが多く、屋根の上に大きなアンテナがあると美観を損ねる場合があります。
壁面設置なら、以下のような美観・景観上のメリットがあります:
- 屋根のラインを邪魔しない
- 軒下や目立たない場所に設置可能
- 小型の壁面用アンテナを選べる
- 住宅のデザインに合わせた色を選べる
- 周囲の景観を損ねない
特に、美しい景色が見える住宅地や、デザイン性の高い住宅にお住まいの方には、壁面設置をおすすめします。
最近は住宅メーカーとアンテナメーカーが連携して、住宅デザインに馴染む壁面アンテナも増えています。黒や茶色など、外壁に合わせた色のアンテナを選ぶことで、目立たず美観を保てますよ。
5. 電波受信の安定性
「壁面設置だと電波の受信感度が悪いのでは?」という心配をされる方もいますが、現在のデジタル放送用アンテナは性能が向上しており、多くの地域で壁面設置でも十分な受信感度が得られます。
むしろ、以下のようなケースでは壁面設置のほうが安定した受信が期待できます:
- 海沿いなど風の強い地域(屋根設置だと強風で向きがずれる)
- 樹木が多い環境(成長による影響を受けにくい位置に設置可能)
- 雪の多い地域(雪の重みでアンテナが変形するリスクが少ない)
- 鳥の多い地域(糞や巣による受信障害のリスクが低減)
特に重要なのは、適切な位置と角度での設置です。プロの技術者が電波の入射方向や強度を測定し、最適な位置に設置することで、屋根設置に劣らない受信品質を確保できます。
地デジだけでなくBS・CSも壁面設置で大丈夫なんですか?
BS・CS放送は衛星からの電波を受信するため、原則として南方向の空が見える場所に設置する必要があります。壁面でも南向きであれば問題ありませんが、設置場所の条件は地デジより厳しくなります。事前に専門業者による受信チェックをおすすめします。
最新のアンテナ技術による壁面設置のメリットは以下の通りです:
- 高性能小型アンテナの普及
- デジタル放送に最適化された設計
- ブースター内蔵型の登場
- 多素子高感度タイプの開発
- 建物の影響を考慮した設置技術の向上
[詳細記事へのリンク] 地域・環境別アンテナ設置位置の最適解
そのほかのポイント
アンテナ設置業者の選び方
アンテナ工事の成否を決める大きな要因が、業者選びです。以下のポイントをチェックしましょう。
- 施工実績(経験年数や施工件数)
- 保証内容と期間
- アフターサービスの充実度
- 料金の透明性
- 口コミや評判
特に地域密着型の業者は、その地域特有の電波環境に詳しいというメリットがあります。また、大手電気店の工事部門や家電量販店の提携業者も安心感があります。
最も重要なのは「実績」と「保証」です。アンテナ工事は専門性が高く、業者の技術力によって受信状態に大きな差が出ます。施工実績が豊富で、工事後のトラブルにもしっかり対応してくれる業者を選びましょう。相見積もりを取って、単に安いだけでなく、総合的に判断することをおすすめします。
デジタル放送の受信環境チェック
アンテナ設置前に、お住まいの地域のデジタル放送の受信環境を確認しておくことも大切です。総務省の「地デジ受信環境マップ」などのサービスを利用すると、住所を入力するだけで受信環境の目安がわかります。
また、実際に電波の強さを測定する「プリサイトサーベイ」というサービスを提供している業者もあります。これを利用すれば、より正確な情報をもとにアンテナの種類や設置場所を決められます。
4K・8K放送への対応
将来的に4K・8K放送の視聴を検討している方は、それに対応したアンテナ設備が必要です。特にBS・CS4K・8K放送を受信するためには、高性能なアンテナと専用のケーブル、機器が必要になります。
壁面設置の場合も4K・8K対応は可能ですが、より正確な設置角度と高品質な機材が求められます。今後のテレビの買い替えなども考慮して、先を見据えた設備選びをしましょう。
設置場所別のメリット・デメリット比較
アンテナの設置場所について、それぞれの特徴を比較してみましょう。
屋根設置
- メリット: 受信感度が最も高い、障害物の影響を受けにくい
- デメリット: 工事費用が高い、メンテナンスが困難、風雨の影響を受けやすい
壁面設置
- メリット: メンテナンスが容易、コストが抑えられる、強風の影響を受けにくい、美観に配慮できる
- デメリット: 設置場所によっては受信感度がやや劣る、南向きの壁面が必要な場合がある
ベランダ設置
- メリット: DIYでも設置可能、移設が容易、メンテナンスが簡単
- デメリット: 景観を損ねる場合がある、スペースを取る、マンションでは規約による制限がある場合がある
室内設置
- メリット: 工事費用が最も安い、天候の影響を受けない、見た目の問題がない
- デメリット: 受信感度が低い、設置場所が限られる、建物の構造によっては受信できない場合がある
「アンテナ.com」技術者”前田”
それぞれの設置場所にメリット・デメリットがありますが、特に戸建て住宅では壁面設置が総合的にバランスが取れていておすすめです。ご自宅の状況や予算、優先したいポイントに合わせて最適な方法を選びましょう。
壁面設置を検討するなら、当社にお気軽にご相談ください。無料で現地調査を行い、最適なアンテナ設置プランをご提案します。
アンテナ工事の無料見積もりはこちら
アンテナ設置方法診断チェックリスト
これまでの説明をおさらいできるよう、記事のまとめとして「チェックリスト」を用意しました。
アンテナ設置を検討する際にぜひご活用ください。
- お住まいの周辺に高い建物はあるか
- 南向きの壁面または屋根はあるか
- 屋根は急勾配か緩やかか
- 地域の電波状況は良好か
- メンテナンスのしやすさを重視するか
- 強風や台風が多い地域か
- 住宅の美観を重視するか
- 予算はどれくらいか
- 4K・8K放送の視聴予定はあるか
- マンションの場合、管理規約を確認したか
このチェックリストに10個以上チェックがついた方は、ぜひ専門業者にご相談ください。あなたのお住まいに最適なアンテナ設置方法を提案いたします。
アンテナ工事に関するQ&A
アンテナは自分で設置できますか?
アンテナ設置を自分で行う場合、安全面や技術面での課題があります。特に屋根設置は危険なので避けるべきですが、壁面やベランダへの設置なら比較的安全です。ただし、電波の方向や強度の測定には専門知識が必要なため、理想的な受信状態を得るには専門業者への依頼をおすすめします。
アンテナの寿命はどれくらいですか?
アンテナの一般的な寿命は8~15年程度と言われていますが、設置環境や管理状態によって大きく異なります。屋根設置より壁面設置のほうが劣化要因が少ないため、長寿命化が期待できます。定期的なメンテナンスを行うことで、さらに長持ちさせることも可能です。
一戸建ての場合、壁面設置で地デジ・BS・CSすべて受信できますか?
多くの場合、壁面設置でも地デジ・BS・CSすべての受信が可能です。ただし、BS・CS放送は南方向の空が見える場所に設置する必要があります。また、周辺環境や建物の構造によっては受信状態に影響が出る場合もあるので、事前の受信環境調査をおすすめします。
ブースターは電波が弱い場合に効果を発揮しますが、障害物による受信障害には効果が限定的です。また、電波が強すぎる環境では逆に受信状態が悪化することもあります。適切な設置場所の選定と、必要に応じたブースターの使用が重要です。設置前に電波の状態を測定することをおすすめします。
マンションでの個別アンテナ設置はできますか?
マンションでの個別アンテナ設置は、管理規約で許可されているかどうかが重要です。多くのマンションでは共同アンテナが設置されていますが、受信状態が悪い場合などに個別設置を検討するケースもあります。ベランダや窓枠への設置が一般的ですが、事前に管理組合や管理会社への確認が必須です。
アンテナの修理と交換、どちらがよいですか?
設置から10年以上経過している場合や、複数箇所に不具合がある場合は、修理よりも交換をおすすめします。最新のアンテナは性能が向上しており、より安定した受信が期待できます。また、4K・8K放送への対応を考えると、この機会に新しいアンテナへの交換を検討するのも良いでしょう。
最後に、アンテナ設置・工事のプロフェッショナルとして、お客様一人ひとりの環境に合ったベストな提案をいたします。テレビの映りでお悩みの際は、ぜひ当社にご相談ください。無料見積もりも実施中です!